王と道化とその周辺

ちっぽけ嘘世界へウインクしておくれよBaby

川島如恵留さまを通して見る「ふまけん」試論

 10年来の友人からの依頼を受け、筆を執ることにした。なお、この見返りに神絵師である友人からサイコーにキュートな推しのイラストを賜ることとなっている。存分に独り占めするので存分に羨んでくれたまえ。
 そして最初に断わっておくが、ワタクシ自身はSexy Zoneおよび「ふまけん」(菊池風磨中島健人のこと)についてはまったくの素人で、手持ちの参考文献も少ない。当記事はあくまで、ここ最近みられた我が推しである川島如恵留さまの雑誌媒体での発言を紐解いたものであり、つまり「私の見る如恵留さま」・「その如恵留さまが見る“ふまけん”」という二重のフィルターを通した「ふまけん」試論なのである。あくまで、あくまで「私の見る如恵留さま」であって、私自身は当然、如恵留さまではない。この論説の信用性は『のえさんのそれっぽいこというコーナー』くらいのそれっぽさであることを踏まえつつ、次の段より本論に入っていただきたい。
(テクストに表れなかった部分、彼の真意が知りたいという方は彼自身に直接レターを送るなどして尋ねてください。彼らのYoutubeやISLAND TV、雑誌記事、出演したコンサートや舞台、CM、WEBブログなどの感想と応援メッセージも添えるとより喜んでいただけると思います)
   

如恵留さまとケンティー(とわたしたち)  

 如恵留さまはこれまでも度々、ケンティーこと中島健人について好意的に言及している。健人担の友人をして曰く、彼は同担から見ても相当に「信頼のおける健人担」であるらしい。
 ケンティーと如恵留さまの付き合いは古く、サマリー出演の際に帰り道を共にしたというエピソードがコンサートのMCで語られており、また、ケンティーも「入所後、初めて一緒にゲーセンで遊んだ相手」として如恵留さまの名を挙げたことがあるという。2018年5月に放送されたSexy Zone冠番組Sexy Zoneのたった3日間で人生は変わるのか!?』内の企画でバク転パフォーマンスに挑戦するケンティーのバックとして如恵留さまと菅田琳寧くん(7MEN侍)がサポートしていたのも記憶に新しい。
 双方ともに独自の世界観をもち、交遊関係を幅広くはもたない気質ゆえか、それ以降もふたりで定期的に会って遊ぶような関係にはならなかったようだし、ケンティーから如恵留さまについて言及する機会もあまりない。ただ、如恵留さまがケンティーをリスペクトしていることはアイドル誌等の企画で定期的に話題に上っていた。
 私が如恵留さまを推し始めてから、ケンティーへの具体的な言及として最初に着目した記事は2019年7月月発売の『ザ・テレビジョンZoom!!』である。
  

Q, もし女の子だったら 好きなジャニーズのグループは?
A, SexyZoneの中島健人。並々ならぬ努力と、一貫性。人生においても、仕事においても、一貫性がある人が好きなんだよね、俺。

 
(前提である「自分が女の子だったら」はほとんど意味をなしていないのでここではスルーしてよい)
 この記事について健人担の友人に知らせたところ、過去に掲載されたケンティーに対する趣き深いリスペクト発言の数々に触れることとなった。そして、その中で我々の間に生まれた願望が「如恵留さまが“ふまけん”についてどう思っているのか訊きたい」であった。
 如恵留さまは自身の所属するグループTravis Japan内の「シンメ」である「松松」(松倉海斗と松田元太のこと)の「シンメ」らしい有り様を表現するために「やっぱり松松・結局松松」というパワーフレーズを生み出し、9月更新のブログにおいてはついに自身がオタクであることをカムアウトした、生粋の「コンビ・シンメ厨」である。しからば、ケンティーを語るにあたってその「シンメ」関係にあたる菊池風磨および「ふまけん」についてもなにかしら一家言あるのではないか、と察するのは当然の帰結であった。
 それから数ヵ月の時を経て、我々の願望は『Myojo』11月号掲載の企画『ジャニーズ大賞2019』において叶えられることとなる。
 如恵留さまが『いちばんいいコンビ』という部門で「ふまけん」に票を投じ、下記のコメントを寄せたのだ。
 

 “俺はこっちに行く”、“じゃあ俺はこっち”って感じで、おたがいに背中をあずけられる存在。
 360°敵がいない状況を作れるのがすごい!

 

如恵留さまの「ふまけん論」を読み解く 

 友人から件の記事の概要を伝えられた際に、私の脳裏に浮かんだのは通り一辺の、よくある「白と黒」「太陽と月」「火と水」のような「対概念」だ。ジャニーズのアイドルとしてなら、「王子様系」と「ヤンキー系」の2タイプも想起された。「少女漫画や女児向けアニメに出てくる王子様」のような美少年としてのアイドル像が下火になり、『ごくせん』シリーズのヒットまで長らく「不良っぽい・ヤンキー系」イケメンがトップを張っていたところ、山田涼介(Hey! Say! JUMP)の登場によって優等生の「王子様」が再び覇権を握った。その流れを汲むのが、山田さんに憧れてジャニーズを目指した「ラブホリ王子様」の中島健人であり、菊池風磨はどちらかといえば『ごくせん』に出ていそうなイメージを持たれがちであろう。そんな真逆の二人が対となり、己が持ち合わせない要素を相互に補い合いながら、背中合わせでパフォーマンスをする――その構図が如恵留さまの理想とする「シンメ」のかたちなのだろう、と。
 
 だが、本当にそれだけだろうか。如恵留さまの深い洞察と思慮で語られる「ふまけん」はそれだけで終わるものなのだろうか。
 彼のテキストは論文のごとく明瞭かつ精緻である。過不足なく適切なワードチョイスで書き綴られるそれを、一言一句を丁寧に正確に拾っていけばおのずと答えにたどり着くはずなのだ。私は友人より遅れて『Myojo』本誌を手に入れ、実際の該当記事へ目を通した。そしてさきの行で挙げた安易な私見よりももっと柔軟かつ強固な「シンメ」の解釈をそこに読みとることとなったのである。
 

 “俺はこっちに行く”、“じゃあ俺はこっち”って感じで、おたがいに背中をあずけられる存在。

 「こっちに行く」「俺はこっち」……ここには「どちらかが、どちらかの属性である」という明言がない。「王子様/ヤンキー」だとか、「太陽/月」だとかの属性にどちらも触れさせていないのだ。如恵留さまは「ふまけん」における菊池さんとケンティーの役割を固定させず、ただ「片方が取りに行かなかった方向を、もう片方が取りに行く」とだけ説明している。つまり現行のイメージとは逆にケンティーが「ヤンキー」系の表象をとるときには菊池さんが「王子様」の表象をとることもある、またケンティー「太陽」であるときに菊池さんが「月」になり、ケンティーが「月」を選ぶときは菊池さんが「太陽」を模すだろう、ということではないか。柔軟に、臨機応変に、「相方のとらなかった表象」へと転じ、補い合っていく、そうすれば自ずと360° 全方位に対応できる。 向かうところ敵なしだ。これが如恵留さまの理想とする「シンメ」の究極形態なのだ。
  
 「補い合う関係」といえば、昨年の『Summer Paradise 2018』でメンバーの中村海人が足を負傷した際の如恵留さまのコメントも思い出される。
   


Travis Japan【Summer Paradise 2018】リハーサル大公開!!    

一人じゃ出来ないことを補うのがグループなので、すっきりした状態で、新しいものを作り直すって形でやっています。

 
 怪我によって行動に制限ができてしまった中村海人のため、リハーサル中に既存の振付やフォーメーションを変更し、柔軟に対応していくメンバーの様子が上で紹介した動画には映されている。平時通りにやりこなせないパートでもただ欠員させるのではなく、従来のものに手を加えながら出来得る限り参加させ、適宜フォローしていくという方法を彼らはとった。「どちらか一方に変化があった(せざるを得なかった)とき、もう一方もそれを自然と補佐できるよう変化する」この補助関係を相互に遂行できる最小単位のグループが「シンメ」であり、如恵留さまの理想とするもっとも美しいかたちであり、「ふまけん」にはそれができている、ということなのかもしれない。
 

もうひとつの推しシンメ「松松」の在り方

 また、如恵留さまの目下の「推しシンメ」であるところの「松松」についても、興味深い記事を見つけたので紹介しておく。彼らもまた「正反対のシンメ」であるとされている。
   neherenia.hatenablog.jp  
 かつては松倉海斗のほうが自由気ままに、ヤンチャに振る舞うシーンが多く、松田元太のほうが口数少なく大人しげであったという。それが現在、YouTubeチャンネルなどでも見られるような「繊細で気にしぃで警戒心強めなまつく」と「日に日に様子がおかしくなる破天荒な元太」になって「中身が入れ替わったみたいに感じる(上記の記事より引用)」というのだ。こちらの記事も松倉担の方による主観であるし、別の視点を通せばまた違った面も出てくるかもしれないが、さきに論じた「理想のシンメ」のかたちとして一考の余地はある。どちらかが何かをきっかけにして変化を起こし、それに合わせてもう一方がそれまで見せていなかった部分を表出させてきたという流れだ。
 「松松」のこれまでの歩みの中で、まつくの中の繊細な部分が強く表れはじめたとき、元太の大胆で物怖じしない面が引き出されてきた、もしくは、元太が自分の殻を破って行動に出るようになったから、まつくもまた繊細な感性を思うさま出せるようになった――そんな風にして、二人の間で「相手にないもの」を補い、釣り合いをとってきたために、あたかも「中身が入れ替わった」ように感じられるのではないだろうか。「あっち」と「こっち」を入れ替わり立ち替わりしていく有り様が、全方位に対応する「理想のシンメ」であるならば、如恵留さまが「松松」を推していることにも頷けるというものである。
(なお、如恵留さまと彼自身のかつての「シンメ」がどういう関係だったのか、本来ならば絶対に絶対にぜったいに考えねばならないところなのだろうが、その歴史の静かなる壮絶さにワタクシの脆弱なメンタルが耐えきれなかったため、ここではあえて触れないでおく。あと半年……いや一年待ってほしい。 今はちょっと抱えきれないです。「メンカラの継承」だけでもう充分すぎると思うのよ! ここは!)
 
 
 以上が、とあるオタクが如恵留さまを通して見た「ふまけん」及び、「如恵留さまの理想とするコンビ・シンメ」試論である。
 友人の期待に沿えているかはわからないが、 とりあえずこれで勘弁してください。
 

【11月14日追記】如恵留さまが「最強のシンメ ふまけん」のエモさを語る動画が公開されましたよ


Travis Japan【ジャニーズ愛】メンバーも知らない秘密暴露でクイズ

ずっと同じグループでいて、ずっと共に進んできた人たちが
同 期 じ ゃ な い っ て い う 良 さ

 入所日暗記してるのもすごいし語り口もすごいしなんかいろいろすごいので一周して笑ってしまった。
 あと元太くんにJUMPの山田さんが送ったメッセージ予想の回答もすごいので是非見てください。いやー如恵留さまって奥深いな!