王と道化とその周辺

ちっぽけ嘘世界へウインクしておくれよBaby

「自担が留学するので転職します」

 まさかこんなことになるとは、というような展開に見舞われている2018年である。
「人生の転機」とは概ね事が過ぎ去ってから「ああ、あれがそのようなものだったのかもしらん」としみじみ想い馳せるものではないか、と常々思ってきた。
 齢三十幾何かを数える身でふと振り返るに、そのひとつは2015年だった。わりと最近だな。
 2015年その時ハマっていたゲームのキャラクターが地獄のような状態だったため引きずられてメンタルがボコボコだった(5kgほど痩せた)うえに運営による耐え難いやらかしが発覚し、結果的には距離を置く良い口実になったとはいえ未だにそのキャラをゲーセンやオタクショップで見かけるたびに「あっ死にたいな」とライトに思うくらいさんざんな目に遭った。夏には宇宙一推してたバンドが事実上の解散を発表し、解散自体はまぁするときはするよなと思いつつ何の前触れもない急な話だったこととすでに決まっていた数か月後のイベントが白紙になったことがけっこう堪えた。
 そんな夏を乗り越えたのち、傷ついた心を癒すべく新たに手を出したソシャゲのイチオシキャラが、その年の大晦日開始のイベントシナリオで激重な過去を告白してきたときは「2015年ってなんだったの?!」と半ギレになりながらイベントを走って年を越した。ポイント報酬☆5カードを初めて5枚取りした。
 ――と、いうようにして、「2015年だけは繰り返したくない」が口癖になった私が、翌2016年に数奇な運命により三次元アイドルジャンルの門を叩き、全力疾走の果てに、自担の「留学」を目の当たりにした2018年。
 
 本日、5年ほど勤めた会社に「退職願」を出しました。
 こんな運命もある意味ロマンスじゃない?