あけてましたおめでとうございます。今年もゆるりとよろしくお願いします。
「今年買ってよかったアイテム」系記事への憧れがあるものの並べて語れるようなジャンルが音楽しかなかったので素直に音楽を並べます。
あくまで私が2018年「買った」音源なので「2018年リリースのもの」ではないです。あしからず。
『Tokyo Rendez-Vous』King Gnu
2018年を表で制したのが米津玄師なら裏番がKing Gnuかなというくらいあっちゅー間にツイッターランドの音楽好きの間を席巻していった。普段邦楽はほとんど聞かないというジャニーズWESTの中間淳太さまもラジオで紹介する(『Vinyl』と『Prayer X』2曲も!)というくらいなので相当な席巻ぶりであります。
徹底的に「シティーの音楽」や……という印象で、サチモスが出てきたときにも同じ感慨を抱いた。「『東京』と名のつく曲に名曲無し」という持論を掲げてきたけれど、上京もんの歌う『東京』の像、ルサンチマンな目線に閉口してしまうところがあって、根っからシティーの人間にこうされると、「上京もんの歌う『東京』に名曲ナシなんだな」というか、ひがみねたみの感情が苦手なだけなんだなと思わされる。
――なんて、かく言う僕もハンパな地方(山口県某市)からハンパな都会(名古屋)に出てきたプチ上京もんで、都会に救われたところのほうがずっと大きくて山口にはもう二度と帰りたくないなと思うくらいなのだけど、地方と都会の格差(学校・賃金・情報)に目を向ければやっぱり愕然としてしまうし、その辺考えてくと、ルサンチマン目線に対する苦手意識もとどのつまりは同族嫌悪なのかもしらんなぁと。そしてこのバンドのこれらの楽曲が上京してもいないそこかしこの音楽好きに受け入れられ支持されているということは、ルサンチマンもそれへの同族嫌悪ももはや古い感性なんじゃろうか、もしくは東京がそれほど特別な場所じゃなくなってるんだろうか、とかとりとめもなく考えてしまう次第。
『わたしが鳴こうホトトギス』戸川純 with Vampillia
椎名林檎がオタク女子の間で猛威を振るっていたあの頃を「ずっぷり行きすぎるとヤバそう」という意識からやり過ごし、数年後に熟成させてから齧った私ですが、戸川純についてもおおむね同じ意識から「時が来るまで距離をとっておく」対象でした。初めて触れたのはVocaloid巡音ルカの『磁力ビギン』カバーだったかな。ポップンミュージック6の『電波の暮らし』の元ネタだとも気づくわけです。 まぁそんな感じで絶賛距離を置いていた戸川純にようやく触れることになったこのアルバム。リリース自体は2017年でして、きっかけはVampillia(真空ホロウ経由で知ったヤバイバンド)最近どうよーと検索してみたらなんかコラボしてるーしかも去年ー?! で、つべの視聴動画を聴いてみたら一発KOだった。多感な頃に避けていて正解だった。
戸川純 with Vampillia / わたしが鳴こうホトトギス / MUSIC VIDEO
コメントにもある通り、彼女の全盛期と比べてみれば声も音程も苦しいところは多々ある。けれどこの新曲のスゴ味はかつての彼女では出せなかったものだろうなと。1年越しのリリースツアーなるものをやっていてライヴにも行きました。MCで「ホイットニーヒューストンが身を持ち崩したあとの復帰ライブで、ボロボロだったからライヴ途中で歌うのを止めてしまったのだけれども、何故止めてしまったのか。どんなにひどくても歌い続けるべきだ。」というようなことを語っていて、そういう方だから「何年経っても鳴いていよう」というような歌を今うたえるのだなぁと。あの日聞いた『赤い戦車』と『諦念プシガンガ』『Not Dead Luna』忘れらんないな。あ、あと元相対性理論現集団行動の真部脩一を初めて生で見た。忘れらんないな。
『LIVE IN LIVING'13』羊毛とおはな
ある日、クラシックと洋楽と谷山浩子を主食にしている父が「『羊毛とおはな』ってバンド知ってる?」と聞いてきた。食わず嫌いの多い父から邦楽バンドの名前が出てきたことにびっくりしつつも、名前だけはタワレコ店頭などで知っていたので正直に「名前だけは」と応えた。普通にしていればまず父にはリーチしなさそうなバンド名がその口から飛び出してきたのか。曰く、イギリスのアリアナ・グランデのコンサート会場で起きたテロ事件に対する祈りの曲としてoasisの『Don't Look Back In Anger』が歌われており、その歌詞や楽曲の来歴を調べているうちに羊毛とおはなのカバーに行きついた、という。つられて聞いてみると確かにいい。ハンバートハンバートもカーステレオでかけてたときそんなに反応悪くなかったし意外と父上こういうのも好きなのかしら。
という感じでプログレ以来の父経由で布教された羊毛とおはな、一枚買ってみるかとディスコグラフィーを眺め、『Don't Look Back In Anger』ではなくカバー曲がビョークの『Hyperballad』だったこのアルバムを選びました。好きなんですよね『Hyperballad』。幼少期にWOWOWのCMでライヴのダイジェストが流れていて、そこで聞いてからずっと気になっていて、インターネッツという武器を手に入れてから自分で調べて見つけ出した曲です。
ところで『Don't Look Back In Anger』といえば、2017年末に岡本さんもラジオでOP曲に(うるじゃんの岡本さん担当回はあるときから彼選曲のOP曲が番組頭に流されるようになった)選んでいましたね。イギリスは彼も縁深い地ですしテロの件もちょっとは頭にあったのかなーとか。放送中は「サリーって誰だよ?!」としか言ってなかった気もしますが。
『new life wave』SOROR
吉澤嘉代子めっちゃ良いんですけど~~とつべを漁っていたときに引っかかったSOROR。元ふぇのたすのショーヤマモトが色んな女性ボーカリストとコラボしているようだ。ふぇのたすはうっすら撫でる程度だったがこりゃメロといいリリックといい中毒性高いぞ。とりあえず吉澤嘉代子と大森靖子のやつポチっとけ。
SOROR - 大人の恋愛 feat.大森靖子[Official Audio]
SOROR - はなせばわかる feat.吉澤嘉代子[Official Audio]
と、それからしばらくもしないうちに上記2曲も収録されたアルバムがリリースされたのでした。ぐすん。
良質なデジポップときにEDM。タイプの違うボーカルがそれぞれの良さをいかんなく発揮していて、バラエティー豊かで聞いていてとかく楽しい。フィロソフィーのダンスの日向ハルさんめちゃくちゃ歌がうめえな! 何週しても新鮮に耳が驚きますね。歌うめぇな!!
『英雄syndrome』神聖かまってちゃん
映画の主題歌になっていた『フロントメモリー』が良すぎてとうとう手を出した(映画自体は見ていない)。PV公開当時話題になってた『ズッ友』もようやくまともに聴いた。2018年の夏は色々なことが起きた夏であったけれども、この曲の「熱さ」とシンクロした2018年の酷暑の夏をこの先もずっと抱えて折につけ思い出すのだろうと思う。
『憎盤』三輪和也(鳴ル銅鑼)
2018年時点で、ライブに通うほど推してる二大バンドのひとつであるバンド鳴ル銅鑼、の、ボーカル三輪和也のソロ弾き語り音源。『愛盤』と『憎盤』二枚同時リリースというのもまた上手い。ジャケットアートワークも二枚並べてこその良さ。ですがどちらか一枚選ぶとしたら『憎』のほうになるというのがワタクシらしさでありますね。
『憎盤』試聴できる動画がなかったので『愛盤』収録の一曲を張っておきます。
『ドリップ』真空ホロウ
2018年の真空ホロウ(バンドとしての)は正規音源リリースではなく黄・赤・青ツアーでの新作グッズ購入特典として音源1曲が付くという順序が逆だ小僧!!変則的なやり方で現場を盛り上げてくれました。ドリップは赤回、高原先生プロデュース回ですね。先生フィ―チャーのジャズベースがバチバチにかっこいい曲です。曲自体はボーカル松本の短いソロ弾き語り期に初出で、その頃から音源化を待ち望んでいたファンも多いだろう曲。旧体制期に(今もか?)掲げられていた「歌詞、曲、アレンジの調和(マッチング)」の体現ともいえる。歌詞のヒリヒリ感と楽曲とジャジーなアレンジ、ライブでの各麺のパフォーマンスも含めたすべてが「過不足なく」完璧にハマっていて、いやもうとにかくパーフェクトなんですよ。この感想を抱くのは『ストレンジャー』収録の『グライダー』以来です。
聞いたところこの曲の原型は『ストレンジャー』期からあったそうで、あの頃にリリースされていても間違いなくフロアを沸かせていただろうけども、でもこうして今この体制でレコーディングされて披露されているのだから、まぎれもなく「今」の曲なのですな。
『Torch.3』松本明人(真空ホロウ)
松本明人(真空ホロウ)ソロ音源「Torch.3」ティーザー
ソロ弾き語り期から会場限定音源としてリリースしてきた『Torch.』シリーズ3作目。これまでライブのみで披露していた未発表音源から、SNS上の人気投票で収録曲を決めるというチャレンジングな企画でした。ぼくの最推し曲『ホーム』は上位3曲から惜しくも漏れ……9位でしたけど……惜しくも……。
『執着地点』は旧体制ラストライヴのときに最新曲として披露されて以来おあずけをくらっていた曲。『最果て』『満天の星』はソロ期からバンドライヴで何度も披露しており人気もうなずける曲で、私も投票しました。それから『最果て』の対になる曲ということで、投票企画では最下位だったものの収録される運びとなった、まさかの敗者復活枠『偉大なる夢』。それらが弾き語り版で音源化されております。人気投票とは単純な「好き」以上に「推しの需要を企画主にわからせる」ことを主旨にしてしまいがちです。これらの上位入選楽曲の披露はバンド演奏版が主でした。バンドの新アルバムが制作されるならこれらのバンド演奏版も入れてくれよな! というメッセージである面も少なからずあるはずです。
◎候補楽曲❼
— 松本明人 | 真空ホロウ (@AKITO_M_SH) 2018年9月20日
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あなたの清き一票でソロ音源の収録内容が決定。
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※RT、いいね、Instagramの♡の総数が投票数に。投票は本日23時〆切。
_#松本明人 (#真空ホロウ)https://t.co/iPXXhganv1 pic.twitter.com/Zy44HxU8jK
私の推し曲『ホーム』はソロ弾き語りライヴで何度か披露されたもので、弾き語り楽曲として前述の『ドリップ』にならぶ「パーフェクト」楽曲だと思っています。『Torch.4』に期待しています。そして3月リリース予定の新譜『たやすくハッピーエンドなんかにするな』に上位曲のバンド版、頼みますね!