王と道化とその周辺

ちっぽけ嘘世界へウインクしておくれよBaby

一年間お疲れさまでした、ということで『nicola』連載を振り返ってみる(という建前で「今月の山田さん」を大調査した)

 岡本圭人さん初の連載企画『教えて! 岡本圭人くん イケてる海外ガールになりた~い!』1年間お疲れさまでした。
 そして連載企画自体はリニューアルして続投ということで、おめでとうございます!

 今を去ること1年前、伝説の雑誌『ROLA』で連載が開始されるも3回を数える前に掲載誌が物理休刊となってしまった自担の企画が同出版社の別雑誌『nicola』にて再会されるとの報が届いた。ド新規ながらことの経緯を知りえていた私にとっても、ベストタイミングで舞い込んできた自担の新しい仕事はことさら嬉しく、発売日には人目も気にせず颯爽と、その女子小中学生がメインターゲットのポップでハッピーでカラフルな雑誌をレジへと叩き付けたものだった。(なお、元書店員として、客がどんな雑誌を買っていようが店員はほぼほぼ頓着していないので、むやみに気にしなくともよいと付け加えておく)
 それが先月号の予告ページで「次号最終回」と銘打たれてからここ、貴重な月一の安定供給が途絶えるのかと恐れ戦きガタガタ震えていたわけですが、蓋を開ければリニューアルと。年中閉店セールしてる田舎の駅ナカの服屋のような、終わる終わる詐欺を食らったような気分も若干ありつつ、誌面のクオリティは初回から最終回まで一貫して抜群だったのでサッパリ水に流して続投の喜びをお伝えしておきます。

 しかし、最終回をきっかけに全号振り返ってみよう、という動機で書き始めたこの記事をいったいどうしたものか。お蔵にするにはもったいないテキスト量。連載続投ではあるが一区切りつくことには間違いないので、振り返りのついでに記事を書くに至ったもうひとつの動機のほうへ比重を移してまとめることにした。
「記事を書くに至ったもうひとつの動機」題して「今月の山田さん調査」である。

 以前、どこぞのCDショップで飾られていた、それぞれのメンバーについて紹介する手書きポップの写真を見かけたことがあった。そこに書かれていた岡本さんへのコメントが以下。

「TV・雑誌の発言でほぼ100%登場する“山田涼介”」

 果たしてそれは本当なのだろうか。謎を解明するべく我々はアマゾンの奥地へ ではなく、『nicola』というアイドル誌ではない、いわば“外向き”の場で、かつ己自身の体験を紹介するというていの連載企画において、どれくらいの頻度で山田さんの名前が登場するのか調査してみようと試みたのである。

 前置きが長くなってしまった。それでは以下より、タイトル通りにこの一年間の『教えて(中略)になりた~い』(以後『イケガル』と表記する)連載の内容を振り返ってみよう。

 
 

●12月1日発売1月号 vol.1「海外のクリスマスのすごしかた」 ゲスト:有岡大貴

 記念すべき第一回。海外のクリスマス事情を頼れる先輩有岡さんを迎えて語っている。包容力の男、有岡さんは企画初回の相手にうってつけなのだ。
 クリスマスツリーの飾りつけをしたり、サンタヒゲやトナカイのの角などのパーティグッズで遊ぶ写真が大変かわいらしく、メイン以外のミニコーナーも充実していて、この連載には期待できそうだと思ったものだった。

「今月の山田さん」:本文のクリスマスプレゼント交換会でのエピソードと、プロフィール欄の中のメンバーとの近況報告に登場

有:みんな、家具とかインテリアとか」実用的な物が多い中、知念だけは毎回食べ物(笑)去年はチーズの塊?
岡:マグロの年もあった。
有:圭人食べられないのに当たってたね。
岡:うん、だから山ちゃん(山田涼介)にあげた。

  

偶然山ちゃん(山田涼介くん)家の近くにいたときに連絡来て、「ウチ来て、ダーツ買ったよ」って言われて行ったの。
1ゲームやったら山ちゃんが勝って、満足したらしく「じゃーね」って言われて帰った(笑)

 相変わらずな様子である。なお、同じ頃、山田さんの方も、「やってもらいたいことがあったから、たまたま近所にいた圭人を呼びつけてお茶して帰した」という旨の発言をしている(『Wink up』11月号)。また、2016年12月1日放送の『VS嵐』に『カインとアベル』チームとして参戦した際にも、GPSで位置情報を把握している件について同趣旨の発言をしていた。収録時期からみるにおそらく同じ日の出来事を話しているのだろうと思われる。

 
 

●12月28日発売2月号 Vol.2「手紙やメールのやりとり」 ゲスト:薮宏太

 前回に引き続き同Gの先輩薮氏を迎えての連載2回目。お正月シーズンにちなんで、年賀状的なメッセージを書いたり、メールの絵文字などの話題を中心に。みんな大好きな「ゆうとりん(ウサギのデコメ絵文字)」のエピソードも語られているのでとりん担はチェックすべし。

「今月の山田さん」:メンバー内のメール絵文字の使用頻度について

薮:JUMPは基本絵文字を使わないよね。
岡本:うん。オレと山ちゃんと薮ちゃんくらい? 3人ともキラキラをよく使う。

 そして2015-16年の単独カウコンののちに山田さんのご実家にお邪魔してお正月を過ごした件について。

薮:大阪のカウントダウンライブから帰ってきて、初詣に行って、実家に戻ったら知念がなぜかセットでついてきた(笑)
岡本:薮ちゃんの実家に?
薮:そう。うちのリビングのソファーで一緒にゴロゴロしてたよ。
岡本:オレも仕事かが休みだったから、山(田涼介)ちゃん家に居座ってたんだけど、2日目くらいに知念が来たよ(笑)
薮:うちの後だな(笑)

 薮邸では知念さんが我が家のごとくに寛いでいた模様。お正月からメンバーとつるんでいる仲良しさんたちである。

 
 

●2月発売3月号 Vol.3「バレンタイン♥」 ゲスト:高木雄也

 JUMPきってのモテモテ男高木さんを迎えてのバレンタイン。オシャレなワゴンカフェの店員に扮している。個人的に連載中最大のヒットを放ったのがこの回の薔薇を横に咥えたワンショットである。昔からこの手のキザキャラが好きなんです……ほんと……。
「小さいころはたくさんチョコを貰った」という爆モテエピソードを何てことないように語る髙木くんが最高にクールだった。

「今月の山田さん」:手作り弁当でアプローチ、という話題からメンバーの作る料理について。

岡本:JUMPは料理が得意なメンバーが多い。山ちゃん(山田涼介)のゴボウの素揚げは絶品だし、光くん(八乙女光)は角煮を入れてソーキソバを作るらしいよ。

 完全にお酒のつまみ的メニューを例示され、彼らの宅飲みの様子を垣間見ることとなった。お野菜食べないってよくネタにされてるけど、山田さんの手料理ならちゃんと食べるらしい。

 
 

●3月1日発売4月号 Vol.4「卒業パーティー」 ゲスト:八乙女光

「お兄ちゃん」だと思っている光くんがここで登場。ブレザーの制服に身を包み、黒のガウンと帽子で海外の卒業式模様を演出してくれています。当時はモテなかったと言いつつもインターナショナルスクールでの卒業パーティーの様子がイケイケパリピ仕様でソワソワさせてくれる。あとオアシスのカバーを聞きたいです。

「今月の山田さん」:本文中、花見の頃には誕生日が来るという話題から、お祝いをしてもらった話

八乙女:そういえばちょうどお花見の時期に圭人は誕生日か。
岡本:去年の4月1日は山ちゃんがご飯に誘ってくれて、焼肉とケーキでお祝いしてもらった。お店に行ったら、サプライズで俺の友達や知念もいて。深夜0時まで一緒にいてくれたよ。

 もうひとつは誌面左隅の卒アルによくあるコーナー。うるじゃんリスナー的には「JUMP TOP3」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。「メンバー内で一番優しいのは?」という設問に「山ちゃんが一位。メンバー思いで優しいもん♥️」とコメント。♥️が漏れてる、漏れてるよ岡本さん。

 
 

●4月1日発売5月号 Vol.5「バースデーパーティー」 ゲスト:Mr.King

 発売日がまさに岡本さんの誕生日当日なこともあり、誕生日企画になると予測はできていたのでどのメンバーがお祝いに来てくれるのかと楽しみにしていたところ、JUMPメンバー以外がここへきてゲストに初登場して読者を驚かせた。後輩に囲まれてのやりとりは新鮮だったし、最終回で連載を振り返るくだりでは岡本さん自身も印象深かったと語っている。
 Kingの三人とは「ジャニーズ・オールスターズ・アイランド」に岡本親子でゲスト出演した際に共演しており、「親子ぐるみの仲」と紹介されていた。

「今月の山田さん」:メンバー同士での誕生日祝いの話題で、やまちねけと、通称さんこいちでの誕生日パーティーについて

岡本:俺は(山田)涼介と知念の3人で祝い合うのが恒例。学生時代は4月1日って春休みで誰にも祝ってもらえなくて寂しかったな。
髙橋:僕も4月3日生まれだから一緒。
永瀬:俺らが祝ってあげるよ(笑)

 前回とほぼ同じ趣旨なのでそろそろネタ切れか? とも思わされるところ。(余談ですがKingくんたちのやりとりも可愛かったのでついでに抜き書きました)(この前段の誕生日祝い合うエピソードも可愛かったです)
 この回においては内容ではなく、さらっと「涼介」呼びしていることに注目したい。後輩を前に格好付けたか? と思うとたまらないものがある。ただの編集ミスかもしれないけれども!
 あと、ここまで全部の回で山田さんの名前の注釈(カッコ書きでフルネームを付け加えるところ)が違うことにお気づきだろうか。「今月の山田さん」探しとは別でそれも楽しみにしてたけど、編集者としてはこれだけムラがあるのはちょっと問題な気がしなくもない。

 
 

●4月28日発売6月号 Vol.6「海外SUMMER」 ゲスト:マリウス葉Sexy Zone

 個人的に神回である。後輩グループSexyZoneのメンバー、マリウス葉と1対1の初対談! ドル誌でさえやってくれなかったことを颯爽とやってくれたニコラのことを本格的にニコラ様と呼び崇め奉りだしたのはこの号からである。清涼飲料水のCMムービーのような爽やかかわいい写真がとてもいい。個人的に、ある点では鋭く敏いけれど、別の点ではとてもニブイヒトぽい二人だなぁと思う。
 イギリスとドイツのサマーバケーションの話題から、欧州と日本の文化や考え方の違いについて悩むマリウスくんに「メンバーと考え方が違ってもいい」と語る岡本さんのやりとりがアツかった。

「今月の山田さん」:ここで初めて言及なし。

 まぁ、ビッグゲストだったからね。

●6月1日発売7月号 Vol.7「海外スクールのランチブレイク」 ゲスト:伊野尾慧

 満を持して登場したHey! Say! BEST最後の刺客、伊野尾さん。「最も気まずい2人」などと言われていたが個人的にこの2人は同種族だと思っているためとても楽しみだった。「ランチタイム」というテーマ設定は「美味しいものを食べたいがために業界入りした」伊野尾さんに合わせたものなのだろうか……。
 お互いに「プライベートが謎」などと言いながら、伊野尾さんが岡本さんの自宅に帽子を忘れた(つまり、自宅に遊びに行っていた)件などさらっと書かれており、その関係はミステリー性をいや増すばかりである。

「今月の山田さん」:仕事の空き時間になにしてる? というトピックにて

岡本:山ちゃんと大ちゃんはゲーム。あと、山ちゃんは最近ネットショッピングにハマっているらしいよ(笑)

 と、山田さんの近況をついでに補足してくる手厚い仕様だった。

 
 

●6月30日発売8月号 番外 『nicola』創刊20周年をJUMP全員でお祝い。

 連載とは関係ないため記事についてのコメントは割愛。
 なお、この号にはもう1箇所、巻頭の20周年記念お祝いコメントページにも岡本さんが寄稿しているので要チェックである。

 
 

●8月1日発売9月号 Vol.8「サマーフェスティバル」 ゲスト:Prince

 Mr.Kingにつづいて後輩Jr.グループのPrince登場。浴衣で夏祭り定番小物を持ったカットというと賑やか&元気なイメージを想像しがちだが、プリンスさんたちのありあまるプリンス力(りょく)によって甘フワな雰囲気に仕上がっている。すごい。おかげさまで過去最高くらいに甘々ふわふわヘアスタイルな岡本さんを拝めたのでありがたいです。
 「撮影うらバナシ」コーナーにて、岩橋さんが楽しそうに吹き戻し(ぐるぐるした紙の風船が蛇の舌みたいにピロピロする笛)を吹いて紙の先端が岡本さんの顔面にバシバシ当たっているけど岡本さんはニコニコしていた、というエピソードが紹介されており「編集部にこちらの趣味をわかられている……」と少し動揺しました。岩橋さんめっちゃ好きですね……ええ……。

「今月の山田さん」:なし。

 
 

●9月1日発売10月号 Vol.9「海外のスポーツ事情」 ゲスト:薮宏太・八乙女光

 「BESTは一周したし年内残り三回だしそろそろ7の誰かが来てくれるんじゃないかていうか来てほしい」という予想を大幅に裏切ってやぶひかセット召喚というまさかすぎる展開にド肝を抜かれた回だった。
 テニス(岡本さん)サッカー(薮さん)バスケ(八乙女さん)とそれぞれスポーツウェアに身を包み、学生時代の部活やスポーツのエピソードを語ってくれた。個人的に好きなのはテニスラケットを「はむはむ」する岡本さんのカットと、薮さんのカットに添え書きされた「突然始まる“キャプ翼トーク」という一文。

「今月の山田さん」:なし。

 
 

●9月30日発売11月号 Vol.10「COOL HALLOWEEN」 ゲスト:高木雄也・有岡大貴

 前月号がやぶひかだったのでよもや、と思ったらやはりコンビでいらっしゃった。何気にこの二人、メンバーカラーが紫・オレンジでハロウィンカラーとなっている。意図してのことならニクい演出である。
 狼男、吸血鬼、海賊の姿に扮した彼らが、パステル調の多い二コラ様には珍しいクールでダークなイメージのお写真でキメている。有岡さんのジョーカーや髙木さんのティンカーベルなど過去にしたハロウィン仮装のエピソードも豊富でおいしい。
 あ、あとI/Oツアーでの岡本さんのバンダナスタイルがお好きならこの号は「買い」です。

「今月の山田さん」:ハロウィンの仮装にちなんで、山田さんの女装の話

有岡:(略)あと、女装がみんな似合う! 岡本:俺は渋谷のギャルになったことあるし、 山ちゃん(山田涼介)はガチでヘアメイクすると超かわいい♥

 Myojo誌内の山田さん連載『真紅の音』で女装の限界に挑戦し、どこから見ても完璧な美少女と化した山田さんの姿は有名だが、その撮影現場に“たまたま”“偶然”居合わせて「可愛い! 超タイプ!」と喜び、個人的なツーショットを写真を撮りまくった岡本さんがいたこともまた有名だと思われる。そんな撮影こぼれ話とともに巻末に掲載されていた二人のツーショットはどこからどう見てもギャル&ギャル男、「ドンキにいそうなマイルドヤンキーカップル」として地味ハロウィンに参加してほしいレベルのナチュラルさを醸していた。

 
 

●11月1日発売12月号 最終回「スガオのケイト」 ゲスト:なし

 『イケガル』としては最後の回となった。連載の振り返りと、自分のことについて。この回とかくとにかく写真がいいので、「ニコラなんてヤングの雑誌買えな~い」とか言ってる場合じゃないです買え。私のお気に入りはまぁ全部なんですけど特にドライフラワーを眺める横顔ショットが良いです。買って。

「今月の山田さん」:【結成10年目にあたる9月24日に何をしてた?】という質問への回答として

山ちゃんの出てる映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を観に行ったよ。
仕事がなかったから、どうしたらメンバーに会えるかなと思って(笑)
素敵な作品にメンバーが出ていることが誇りだし。自分も頑張ろうっていい刺激になった結成日でした!

 9月更新のジャニーズウェブ・メンバー公式ブログ『JUMPaper』でもこのことについて語ってらしたが、メンバーに会いたくて出演作を見に行くというセンスが彼らしい。
 また、この号にはI/Oツアー横アリ公演のライブレポート記事も掲載されており(※60頁・モノクロ記事)、ここで岡本さんは『Sweet Liar』の某演出について「俺ずいぶん黒く見えるな。山ちゃんが色白だからかな」というコメントを寄せている。わたしは二コラを読んでいるとき心が中学生男子なので思わず鼻の根本を押さえましたね。

 
 

「今月の山田さん」集計結果

登場回数:連載11回中8回  登場率:72%

 結果は以上となりました。予想よりも多いと感じるか、少ないと感じるかは個人の感覚によるだろうが、ひとまず噂の100%には届かないという結果に終わった。
リニューアル後も「今月の山田さん」コーナーは引き継がれるのか、というかゲストは登場するのか。まだ知念さんも中島さんも山田さん本人さえも呼んでいないし。
 二コラ様のこれからのご活躍に期待しつつ、この企画を締めたいと思う。

 
 

と、一旦締めつつわりと真面目に今後のことを考えたい

 改変期(?)を乗り越え続投されることとなった『nicola』個人連載。ファンとして何かしらリアクションしたい、と思う反面、『nicola』の読者アンケートは簡易なハガキではなく1ページ丸まる使用するお手紙形式。「今学校で流行っている遊び」など項目も事細かく、小中学生の生の声をサンプルとして収集するためのものであることが如実であるし、単独でメールや手紙を送るにもちと気が重い、という点があった。
 が、二コラ様は我々のことをわかってくれていたのだ。
nicola掲示板』というアイデア募集コーナー(読者アンケートの前頁)にて2017年10月号から「芸能人ページの感想募集」欄にTwitterInstagramなどで感想を流すためのハッシュタグについて記載されるようになった。そこになんと岡本さん連載専用のハッシュタグを用意してくれていたのである。

芸能人ページについてはハッシュタグ「#ニコラ・デ・チェック」、
Hey! Say! JUMP岡本圭人くんの連載についてはハッシュタグ「#二コラ岡本くん連載」をつけてね!

 気ぃつかなくてすみませんでしたマジで。
 ヤングでなくとも、SNSであれば普段のツイートのついでに、気軽な感想を気負わずに送ることができるのではないだろうか。せっかく用意していただいたハッシュタグなので、感想をつぶやく際には是非活用してみてほしい。
 『イケガル』改め『岡本部長』が、二コラで末永く愛される連載になりますように!

拝啓、自担様

2016年11月3日から一年あまりが過ぎました。 一年間こうして持ちこたえたので、改めて自分の感情を整理し、今の正直な気持ちをここで記しておくことにします。

単刀直入に言って、私はあなたがアイドルになったことが善いことだったとはけして思えません。 幼さ、拙さを切り売りするようなやり方は「嫌い」である以前に「悪」だと思っています。そのような成り立ちを持つものは昔も今も、これから先にもけして認めることはできませんし、それを成り立たせている社会・環境、それで成り立つ文化を心底軽蔑しています。

でも、あの日出会ってしまったのは覆りようのない事実で、どうしようもない現実で、他の誰でもなくあなたであったことが、私の人生の中にあるひとつの真実であることに変わりはなく、それゆえに私はこんなまがいものの手紙を書いているのです。

私は、あなたが明日、すべてやめてしまっても構わないし、その「明日」がなるべく早く来て欲しいとすら思っています。 こんなことを言う人間はもはやファンではないのかもしれません。そういったコミュニティに属する人間からすれば私こそが軽蔑に値する者なのだと思います。ですが、何を言われてもこれが嘘偽りのない今の私の本心で、改めるということはないでしょう。

どうかあなたが、悔いなく、何もかも満足して終われるような「明日」が来るようにと、心から願っています。

敬具